2018.07.05

ダイバーお役立ち情報

マスクはクリア?ブラック?

マスクはクリア?ブラック?

スキューバダイビングのオープンウォーターコースで習得するスキルにも関連するマスク。顔に引っ付く部分のゴム(スカート)が透明なものと黒い物を見たことがあると思いますがどちらが良いのか、一般的な観点からご紹介します

目次

何が違う?

どうして黒いものがあるの?

それぞれのメリット・デメリット

どちらがお勧め?
 

ブラックシリコンマスク

 

何が違う?

先に述べましたスカートの色、素材がシリコンゴムということから、
透明の物を、クリアシリコン、
黒い物を、ブラックシリコン
と言います(そのまんまです)。
何が違うかと言いますと、もちろん「見た目」が違います。一般的にですがブラックシリコンは、より格好いいと感じる方が多いようです。ではお値段はというと・・・たいていのダイビングメーカーでは同じものの色違いということで、価格も同じことが多いです。
付け心地はと言いますと、基本ほとんど変わりません。
 
では見た目以外に何が違うのかと言いますと、
マスクを装着した状態での生物や景観の見え方が大きく違います。
クリアシリコンはその名の通り透明ですから、そこから周囲の光が差し込み、明るい状態で見ることができます。
ブラックシリコンはと言いますと、簡単に言えば双眼鏡をのぞいているような感覚になります(遠くは見えませんが)。両手で丸を作って、のぞくように目に着けると、真正面は見えますが横は見えません。視野が狭くなるのです。
のぞく

 

どうして黒いものがあるの?

水中で器材に頼って行うスキューバダイビング。そんな非日常的な場所で視野が狭くなってどうするの?と思われるかもしれません。
では、どうしてこのブラックシリコンマスクが格好いいという以外で必要なのかと言いますと、
「水中写真をする方向け」というのが一般的な答えになります。
写真を撮る時にファインダーやモニターを見ますが、その時に余分な光が入ってしまうと見づらくなってしまいますよね?それを改善してくれるのがブラックシリコンなのです。
あとはブラックシリコンの方が水中生物に対しての威嚇度が低いともいわれています。

 

それぞれのメリット・デメリット

上記のカメラ関連の内容除いて、使用者目線で一般的なメリット・デメリットをあげてみますと
<メリット>
■クリアシリコン:視野が広く感じる、明るい
■ブラックシリコン:変色しない
 
<デメリット>
■クリアシリコン:使用していくと、徐々に変色していく
■ブラックシリコン:視野が狭く感じる
 
ということがあげられます。ほんと、一長一短ですね。

 

どちらがお勧め?

ではインストラクター目線からしてどちらがお勧めかと言いますと、これからダイビングを始める・初めて間が無いという方にはクリアシリコンをお勧めします。
クリアシリコンマスク
どうしてかといいますと、まずマスクなどの一般的に軽器材と言われるものは消耗品です。買い換えることもあれば、水中写真を代表とするようなダイビングスタイルによって、都度使い分けます(マスク以外も)。これを踏まえてクリアシリコンがお勧めということです。
それは単に最初だから視野が明るい方がストレスも少なく・・・ということもあるのですが。
 
インストラクター側としても初めて潜る方、経験の浅い方と潜る際、ストレスを感じていないかを必要以上に気にします。でもブラックシリコン装着時の様に「目」だけしか見えていないと、その方の今の感情を読み取ることは難しいです。クリアシリコンの様に少し頬の付近までスカート部分を通してでも見えているとわかりやすいのです。
 
また、クリアシリコンはトラブルを未然に防ぐこともできます。
人間は陸上で「鼻呼吸」ですよね。でもスキューバダイビングでは「口呼吸」になります。最初の頃は口呼吸が徹底できず、無意識に鼻で呼吸をしてしまい、マスクに水が入ってきてしまうということも珍しくありません。問題はそのあとです。マスク内に入った水が少量だとブラックシリコンの場合はインストラクター側から見えないのです。そのまま鼻呼吸をしてしまうと少量でも不意にマスク内に入った水を鼻から吸うことになります。そうなると必ずむせます。これがトラブルにもつながるのです。
クリアシリコンは水が入っているのが少量でも見えるので、インストラクターはすぐにマスククリアの指示を出すことができ、トラブルを未然に防ぐことができるのです。
 
あとは普段から乗り物などに酔いやすい方でいうと、視野が狭くなるブラックシリコンを装着してキョロキョロするだけで酔ってしまったり目が回る感覚になってしまう方もおられます。
これらを総合すると、いわゆるビギナー向けとしてはクリアシリコンのマスクがおすすめなのです。
 
ブラックシリコンについては、後々のダイビングスタイルで必要となった時や、ダイビングに慣れてきたときに買い足せばいいだけなのです。特にフィンでも同じような使い分けをすることがあります。これはまた別の機会に投稿しますね。
 
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