岩場をゆっくり進んでいると、
「え、今の動いた？」と感じる瞬間があります。
その正体が、マダコだったということも少なくありません。
 
和歌山・三重エリアでよく見られるマダコは、
がっしりとした体つきと、存在感のあるサイズ感が特徴。
赤黒い体色で、まさに王道のタコといった印象です。
 
一方で、やや小柄なタコに出会った場合は、イイダコの可能性も。
見慣れた生き物ほど、丁寧に観察してみると違いが見えてきます。
 

 
マダコの観察でぜひ注目してほしいのが「目」。
表情豊かで、意外と感情が伝わってくるように感じる部分です。
 
マダコの瞳孔は、横に細く伸びた形。
この形状は、水平方向の視野を広く確保するのに適していると言われています。
 
岩陰や砂地に身を潜めながら生活するタコにとって、
周囲の変化をいち早く察知することは命に関わる重要なポイント。
光の強弱や動きを敏感に捉えることで、安全に行動できるのです。
 
日中は、この視界を活かして、
体色や質感を変えながら見事なカモフラージュを披露します。
 

 
夜や暗がりでは、瞳孔が丸く開き、昼とは別の表情に。
この変化を実際に見ると、同じ生き物とは思えないほど印象が変わります。
 
ナイトダイビングでは、こうした生き物たちの“素顔”に出会えるチャンス。
時間帯を変えて潜ることで、海の奥深さをさらに感じられますよ🤿🫧🪸